小説「掟上今日子の旅行記」が11月17日に発売されました。
今回は完全に出遅れてしまいました。
それにしても、原作者である西尾維新さんの書きあげるペースは半端なく早いですね。
今年に入って、私は忘却探偵シリーズの小説を3冊も手にしています。
掟上今日子の旅行記ですが掟上今日子の家計簿を購入した時に、小冊子が挟まれておりその旨紹介がありました。
タイトルを見て、一日で記憶がリセットされる今日子さんが旅行って?
と言う疑問しかありませんでした。
次号では、厄介が登場すると思っていましたので、まさかに二人で旅行をして、二人の関係に何か進展があるかなといろいろ考えてしまうタイトルでした。
しかし、この小説を読んで私が本のタイトル名よりも、もっと引き込まれたのが以下の4つの内容です。
(1)エッフェル塔をどうやって盗むのか?
(2)今日子さんがまさかの怪盗に!?
(3)探偵VS怪盗
(4)今日子さんと厄介が男女の関係に?
この記事を読んでいるあなたもぜひとも知りたい内容ですよね。
掟上今日子の旅行記の目次は以下の通りです。
・一日目
・二日目
たったのこの二つです。
今日子さんと厄介が行くことになる旅行の滞在先はフランスはパリです。
今日子さんは、お金も持っていますしパリへ観光として行くならわかります。
しかし、なぜ?厄介までもがパリに滞在することになるのでしょうか?
物語は、この厄介がパリへ旅行へ行く事になった経緯から始まります。
厄介が花の都パリへ
厄介は、旅行代理店に再々々々々就職した。
そして、厄介はまたその職場においても犯罪者の筆頭候補としてノミネートされてしまったのである。
厄介はこの事件においても探偵を呼び自分の無実を証明しました。
しかし、職場を騒がせてしまったとしてクビになってしまったのです。
そして、口止め料ともいえる退職金が厄介に支払われました。
厄介に退職金として渡されたのは、現金ではなく顧客がキャンセルしたチケットだったのです。
厄介はチケットを売ることを考えましたが、漫画雑誌の編集長である友人の権藤さんは、「いいじゃないか、どうせ暇なら行って来い」と言われました。
厄介は、権藤さんから薦められ、この旅行によって生活への変化がもたれされることを期待して、旅行に行くことに決めました。
そして、厄介はフランスの地に降りたった。
厄介が国際空港内の行き交う旅行者の中に、メガネをかけた白髪の若い女性を見つけた。
彼女は、タイヤのついてないトランクを二つ掲げて出口の方へ歩いて行った。
厄介は、「まさか!今日子さんでは?」と思ったが、「見間違いに決まっている幻覚だろう」と考えを改めた。
しかし、厄介は彼女の後姿を追っていた。
「今日子さんは、本物なのか偽物なのか」真意をはっきりさせたかった。
彼女は、国際空港から出るとバスへ乗り込んだ。
そして、厄介も同じバスに乗り込んだ。
彼女は、バスの真ん中あたりに座り紙コップのコーヒーを飲んでいた。
厄介はバスの最後尾に座った。
しかし、厄介は寝てしまった。
気が付くとどこへ着いたか全くわからず、全員がバスから降りていた。
厄介は、バスから降りて、信号が赤から青へ変わって歩き出す彼女を見つけた。
厄介は、駆け出し、その後路地に入った彼女に追いついた。
彼女は、角が折れたところで厄介を待っていた。
そして、正面から厄介を見据えて笑顔で「何か御用ですか?」と訊いた。
彼女は百パーセント間違いなく今日子さんだった。
尾行は、ある時点からバレバレだったようだ。
今日子さんは穏やかながらも強気な表情で、
「初めまして。探偵の掟上今日子です」と言った。
今日子さんがまさかの怪盗に!?
今日子さんは、厄介のことを過去の事件の逆恨みをする犯人だと思っていた。
厄介は、「今日子さんの依頼人であり、事件のお手伝いをしたこともある」と言い誤解を解こうとした。
今日子さんは、
「お手伝い、ですか。ワトソン役ってことですか、よろしいでしょ」と言い二つのトランクを厄介に投げた。
そのトランクは、軽いというか空っぽと思われた。
今日子さんは、「異国でたまたま出会った日本人同士、偶然を当然のように助けあいましょう、ムッシュ」と言って厄介をカフェへ誘った。
厄介は、パリの象徴であるエッフェル塔が視界に飛び込んできたため、パリに来たことを認識していた。
今日子さんは「うわあ!」と驚いている厄介に「エッフェル塔に興味津々ですか?より一層、助け合えそうですね」と言った。
カフェは、立地条件から「かなり高いお店なのでは?」と思っていると、今日子さんは「ご心配なく、今日は私のおごりです」と言った。
今日子さんは、パリへ仕事で来ていた。
そして、今日子さんは右腕の袖をまくりあげた。
そこには、「近日中に、エッフェル塔を頂に参上します。なにとぞご用心してください。怪盗淑女」と書かれていた。
「パリ警視庁に届けられた正式な犯行予告状」の写しの内容を書いたものだった。
厄介は、ここで海外の事件解決の依頼を今日子さんが受けた理由を訊いてみた。
一日で解決できないため本来ならお断りするが、依頼料が破格のプライスだった。
交通費も食費も宿泊費も全部依頼人が支払ってくれるようで、飛行機もファーストクラスだった。
今日子さんが依頼を受けた理由を言ったが、厄介は嘘ではないかと疑った。
また、洋服をいっぱい買うためにパリへ来たと今日子さんは言った。
軽かった2つのトランクは洋服を入れるためと続けた。
厄介は今日子さんの依頼主が誰であるか?また、その依頼内容について訊いた。
今日子さんは、代理人を重ねての依頼であったため、依頼主は分からないと答えた。
この依頼人は、前金の支払いから見ても大物であることは間違いないと今日子さんは確信していた。
そして、依頼内容は「エッフェル塔が盗まれるのを阻止」するというものだった。
今日子さんは、依頼を受けた時点から、30時間一睡も寝ていなかった。
目標を100時間に設定した。
厄介に求められてた手助けは、今日子さんを眠らないように起こし続ける役目だった。
今日子さんと厄介は、雇用契約を結ぶため、今日子さんは、トレンチコートの下に着ていたロングシャツの袖をまくりあげて自分の腹部に一筆書かせた。
フランス滞在中に今日子さんの助手を命をかけて務めるという内容だった。
二人はまず、「犯行予告状」の実物をみるためにパリ警視庁へ行くことにした。
厄介がガイドブックで警視庁の位置を確認すると、今日子さが泊まるホテルの近くだったため、まずホテルへチェックインすることにした。
部屋で着替えることにした今日子さんを厄介はロビーで待っていた。
この後だが、警視庁に行った後に、ビストロで夕食をしてエッフェル塔の真下に行く予定となっていた。
しかし、今日子さんはいつまでたってもロビーに姿を現さなかった。
厄介は、異常事態と考え、今日子さんの部家をノックしたり、インターフォンを押したりしたが、部屋の中から反応がなかった。
厄介が合鍵を使って部屋へ入ると今日子さんはベッドの上で横臥の姿勢で倒れていた。
厄介は、無理に今日子さんを起こさず、じっくり休んでもらうことがベストだろうと考えた。
厄介は、今日子さんが起きるまで再びロビーで待つことにした。
その二時間後に今日子さんはロビーへ降りてきた。
そして厄介に「あなたが、私の助手の隠館厄介さんですか?」と訊いた。
厄介が頷くと、「初めまして。怪盗の掟上今日子です」
「エッフェル塔を盗みましょう。最速で!」と今日子さんは言った。
今日子さんと厄介が男女の関係に?
自分が怪盗だと言った今日子さんは、ふざけていると厄介は思ったが、大まじめだった。
厄介は、衝動的に今日子さんの左手を取ってジャケトとシャツの袖を一気にまくった。
そこには、「私は掟上今日子、怪盗」と書かれていた。
厄介は、今日子さんが今回の事件の犯人になりきることで、犯行の予告状を出した犯人に迫ろうとしているのではないかと考えた。
しかし、その考えは希望であり、今日子さんの左腕に書かれた「怪盗」の筆跡は厄介の見立てでは偽物であった。
いったい部屋で着替えをしている今日子さんの身に何があったのか?
厄介は、今日子さんに怪盗でないことを告げた。
しかし、今日子さんは自身の筆跡だと思い込んでしまっているため、「正体を隠さなければいけませんね」と言い自身が怪盗であることを隠そうとした。
厄介は、ここで今日子さんを説得することを諦め、再び話すチャンスを窺うことにして、自身も怪盗の助手として行動を共にすることにした。
数々の冤罪から救われてきた僕が、今日子さんが犯罪者となるのを防ぐのだと厄介は決意した。
そして、厄介と今日子さんは盗みの下見のためエッフェル塔へ向かった。
この日は混雑しており、営業時間もあるので、エッフェル塔を外から眺めて、内側の構造確認は明日行うことにした。
ホテルに帰る前に、夜にライトアップされたエッフェル塔を離れた場所から見るためにシャン・ドゥ・マルス公園を二人で歩いた。
「どうですか?盗めそうですか?」と厄介は無理だと思いつつ訊いた。
今日子さんは、「盗めるか盗めないか考えるよりも先に、なぜ、自分がエッフェル塔を盗もうとしているのかその動機の解明を先決すべき」と言った。
厄介は、今日子さんに真実を告げるチャンスではないかと思ったが、自分の決断に自信が持てず、真実を告げることが出来なかった。
そして、二人は部屋へ戻った。
助手である厄介も今日子さんが眠らないように監視するため、今日子さんの部屋へ行った。
そして、今日子さんは汗を流すためにシャワーを浴びた。
今日子さんは、フリルのあしらわれたパフスリーブのネグリジュを着ており、半透明と言っていいほど透けていた。
厄介は今日子さんの刺激的な格好に思考停止してしまった。
続いて厄介がシャワーを浴びた。
厄介は、今日子さんが使ったバスルームを直後に使うということで緊張していた。
厄介がバスルームから出ると今日子さんが目を閉じてベットの上で寝ていた。
厄介は、慌てて今日子さんの元へ近寄った。
すると、今日子さんは目を開けて考え事をしていたと言った。
今日子さんは、ベッドで目が覚めた時のことを考えていた。
寝ていた時の格好が、今からパリへお出かけするような、よそ行きのワンピースを着ていたことが不思議だった。
厄介は、今日子さんが怪盗ではなく、探偵であることを思い出してくれることを期待した。
しかし、「長いフライトで疲れて、うっかり着替えないまま寝てしまったんでしょうね」と期待はずれの言葉が返ってきた。
今日子さんは、厄介に「着替えなかったんですか?」と訊いた。
厄介は、自分の部屋から着替えを持ってくることを忘れてしまって同じ服を着ていた。
すると、今日子さんは、「この後どうせ脱ぐから、同じ服を着ることは無いんじゃないですか」と言った。
厄介は、この今日子さんの「どうせ脱ぐ」という言葉に驚いた。
今日子さんは、厄介に近づき手を伸ばし、とろりとした目で見つめていた。
その目は、狙った獲物は逃さない大怪盗の目だった。
今日子さんは、「私を一晩眠らせないことが、厄介さんの仕事でしょう?」と言った。